2022年度東京大学大学院 問題Ⅰ 回答例

2022年度

東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻臨床心理学コース 

問題Ⅰ 

 

回答例

 コミュニティ感覚とはサラソンによって確立した概念であり、他者と類似しており、お互いに尊重している、関係を維持しようとしている、自身が所属集団の一部分である、といった感覚のことである。

 コミュニティ感覚は以下の4つの要素から構成されるものとされている。一つ目はメンバーシップである。これは集団に所属しているという感覚や個人的なつながりを共有しているという感覚である。二つ目は影響力である。これは集団とそのメンバーが相互に影響し合い、意味のある違いを与えているという感覚である。三つ目はニーズの統合と充足である。これは集団のメンバーとして必要な資源を得ることができ、またニーズが満たされているという感覚である。四つ目は情緒的つながりの共有である。これはメンバー同士が共通する信念、歴史、場所、時間、経験などを有することで生じる感覚である。

 近年では移動や通信手段の発達に伴い、以前より関係性に基づくコミュニティの側面が強くなってきているといえる。特に感染症の流行により、インターネット上のつながりによりコミュニティが物理的に一定の空間を共有する地理的コミュニティに代わり多くの人にとって重要なコミュニティになってきている。

 

参考文献

 

 

 

今回の過去問は以下のリンク先から購入可能です。

文学部複写センター (biglobe.ne.jp)

 

*このブログでは心理系大学院(公認心理師臨床心理士カリキュラムに対応した大学院)の過去問の回答例を挙げています。回答は独自に作成したものであり、正答を保障するものではありません。試験対策の参考にお使いください。