2019年度東京大学大学院 大問5(統計) 回答例
2019年度東京大学教育学研究科総合教育科学専攻臨床心理学コース 大問5
解答例
(1)
欠損値に対し当該変数の観測値から求めた平均値を代入する方法の問題点として、データのばらつきが本来よりも過小評価されてしまう傾向にあることが挙げられる。また、対応のあるデータの場合、データ間の関連がみられなくなってしまうことも問題となる。
(2)
ランダム化比較試験とは介入の効果を調査する目的で、研究対象者を介入群を行う群と介入を行わない群にランダムに振り分ける方法である。この方法では、操作した独立変数以外の要因の交絡を防ぐことができるため、ランダムな割り当てを行わない比較研究と比べてより強い因果関係の推論が可能になる。
(3)
公刊された論文だけを用いてメタ分析的研究を行うと、出版バイアスが生じる可能性がある。これは、結果が明確に出た研究が公刊されやすい傾向にあるためである。
参考資料
総評
東大の統計の問題。いつも通りの3問構成。
この年から前年まで統計を担当していた南風原先生から、別の先生に担当が変わったらしく、問題の傾向もやや変化したように感じる。
ただ、基本はこれまで通りの対策が重要になってくることには変わりないだろう。
今回の過去問は以下のリンク先から購入可能です(2023年現在)。
*このブログでは心理系大学院(公認心理師・臨床心理士カリキュラムに対応した大学院)の過去問の回答例を挙げています。回答は独自に作成したものであり、正答を保障するものではありません。試験対策の参考にお使いください。